寝転んだままバッグから携帯電話を取り出すと、履歴を確認したね。バースデー・メールはおろか、ここ数日、誰からも一本の電話もメールも入っちゃいない。わかってる。わかっちゃいるけど、なぜか日に何度も確認しなきゃ気がすまない。それがケータイのやなところだね。あ〜あ、いったいオレって誰からの連絡を待っているというんだろう。
アナーキー・イン・ザ・JP』中森 明夫