「闇の列車、光の旅」


○危険な状況を救われた女の子と、青年ギャングの話。
列車で偶然出会い、助けられる。その後すぐに、女の子は「信じている」と言う。そして、家族と離れて青年に付いていく。ここが印象に残った。


○なぜ、家族よりも会ったばかりの男を信じたのだろう。
(逆に言うと、知り合った異性の方が家族よりも大事になってしまう条件って何なのか)
・男に命を救われたから。
・家族といっても、父親には別の家族がいた。叔父のことはそんなに好きではないから。


○女は、助けられたとはいえ偶然知り合った人間をぱっと好きになって、自覚が薄いが命をあずける。
男の側から見れば、偶然知り合った女を命をかけて守っている。男が女を助けるのは「どうせ殺されるから」というもので説得力がある。女に甘い一面が前半にきちんと描かれている。


○助けられた後、初めてこの男女が接触するシーンがよかった。
女は男に近寄る。
「ありがとう」から会話がはじまるかと思ったら、画面からは見えなかった(たぶん・・・)食べ物をさしだす。
「ありがとう」と言ったのは男の方だった。
あとは名前を名乗り合うだけのシーンなのだけれど、女の子の表情がとてもよかった。恋をしている表情。もしくは希望を見つけた表情。先に挙げた、家族と自ら離れて男についていくシーンが唐突な印象を与えながらもそこまで気にならないのは、この表情があるからだと思う。